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導入事例1 ハウスメーカー/工務店/アトリエ系設計事務所

依頼内容:Real ZEH(実質ゼロ・エネルギー住宅)の開発

住宅におけるエネルギー消費を限りなく減らし,最終的に年間でエネルギー収支をゼロにする「Real ZEH(実質ゼロ・エネルギー住宅)」を開発しています。

まず建物そのものの性能を高めることで暖冷房などに必要なエネルギーを減らします。例えば,断熱性や気密性を高めたり,日射をうまく活用する,または遮る設計を行うことで,室内の温熱環境を自然に保ち易くします。次に,太陽光発電やダブルスキンなどの再生可能エネルギーを積極的に利用する技術を使用して,エネルギーを自ら創出します。さらに,空調や照明といった設備に高効率なトップランナー機器を用いてエネルギーを無駄なく使う工夫をします。

このように「①エネルギー負荷の低減」,「②再生可能エネルギーの活用」,「③エネルギーの有効利用」という複数の技術を組み合わせることで,快適な住環境を保ちながらエネルギー消費を実質ゼロにする住宅の開発・実証を行っています。

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導入事例2 ハウスメーカー/工務店/アトリエ系設計事務所

依頼内容:日本各地(北海道~沖縄)の気候に適するバイオクライマティク・デザイン

バイオクライマティク・デザイン(Bioclimatic Design:気候適応型設計)とは,日本各地の気候特性に合わせて建物の設計を最適化し,機械設備に頼りすぎずに快適性と省エネルギーを実現しようとする考え方です。

日本は南北に長く,北海道から沖縄まで気候条件が大きく異なります。そのため,一律の設計ではなく,それぞれの地域の気温,湿度,日射,風などの違いを踏まえた設計が求められます。例えば,寒冷地である北海道では,外気温が低いため,建物の断熱性や気密性を高めて熱を逃がさない設計が重要になります。一方で,沖縄のような高温多湿地域では,日射を遮る工夫や風通しの良い設計によって,室内に熱や湿気をためないことが重要です。また,本州の中間的な地域では,庇や窓の配置を適切に設計することで,冬の日射を取り込みつつ,夏は遮るといった季節に応じた工夫が必要になります。

つまり,バイオクライマティク・デザインとは,地域の気候条件や自然環境を積極的に活用し,「省エネルギー」と「快適性」を両立させる設計手法であり,Real ZEHの実現にも重要な役割を果たします。ご依頼内容に応じて,全国各地のBD住宅の熱環境設計を行っています。

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導入事例3 ハウスメーカー/工務店/アトリエ系設計事務所

依頼内容:空調しなくても快適な恒温・恒湿性能を有する親自然派住宅

親自然派住宅とは,自然エネルギーや建物自体の性能を活かし,空調設備に極力頼らずに室内環境を安定させることを目指す住宅です。

まず,室内の温度を安定させるために,室内側の躯体材料の熱容量を適切に調整し,熱を蓄えたり放出したりすることで温度変化を緩やかにし,恒温性を確保します。加えて,内装材に吸放湿性能をもつ建材を用いることで,湿度を自然に調整し,恒湿性を保ちます。さらに,冬季は太陽熱利用(ダイレクトゲインなど)によって室内を暖めます。一方,夏季は大気放射冷却やナイトパージ(夜間の涼しい外気を室内に通気)による躯体蓄冷により昼間の室温上昇を抑制します。加えて,通風設計や日射遮蔽などと組み合わせることで,自然の熱・光・風を総合的に利用し,快適な環境を形成します。

このような自然エネルギーを活用する住宅の根底には,完全に一定の温度・湿度を人工的に維持するのではなく,多少快適域から外れる状態も受け入れるという「居住者の親自然的な考え方」があります。ご依頼内容に応じて,人間が自然環境に適応しながら暮らすことを前提とし,省エネルギーと快適性のバランスをとる親自然派住宅を設計しています。

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導入事例4 ハウスメーカー/工務店/アトリエ系設計事務所

依頼内容:再生可能エネルギーを利用して自然に夏季冷却・除湿,冬季集熱・加湿するPDSC住宅

再生可能エネルギーを高度に利用する住宅として,PDSC住宅(Passive Dehumidification and Solar Collection)を開発・実証しています。
これは,太陽熱と大気放射冷却を積極的に利用し,季節に応じて異なる機能を発揮するパッシブ・システム住宅です。夏季の昼間は太陽熱を活用して室内から水蒸気を取り除き,夜間は大気放射により室内を冷却します(躯体の工夫と空気循環制御による自然冷却・除湿システム)。一方,冬季は同システムを使用した太陽集熱により室内の加熱と加湿を行う仕組みです。

PDSC住宅は,再生可能エネルギーを利用し,季節に応じて「冷却・除湿」と「集熱(加熱)・加湿」を行う熱性能可変型空気循環パッシブ住宅で,空調設備への依存を減らしながら室内環境を調整するという特徴があります。この考え方は,親自然派住宅の思想とも共通しており,自然に存在する冷熱源・温熱源を有効活用して,より少ないエネルギーで快適性の実現を目指すものです。

PDSC住宅は,再生可能エネルギーを主軸に据えた,日本の気候条件に適応する省エネルギー住宅の一つの具体的な形態であり,Real ZEHの実現に向けた重要な技術です。

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導入事例5 ハウスメーカー/工務店/アトリエ系設計事務所

依頼内容:空気循環型(エアハンドリングユニット方式)の全館空調住宅

省エネルギーかつ快適な住環境を実現するために,全館空調システムの高度化に取り組んでいます。
その一例が「MaHAt System」と呼ばれる方式です。これは,空気循環型の全館空調住宅であり,建物内に設置された空調ユニット(エアハンドリングユニット)によって,温湿度調整された空気を建物全体に循環させる仕組みです。従来のように部屋ごとに個別の空調機器を設置するのではなく,1つの空調システムで住宅全体の温熱環境と換気を一体的に管理することができます。

この方式は,建物全体で温湿度差の少ない均一な室内環境を実現し,空調と換気を効率よく連動させることで省エネルギー化を図り,断熱気密住宅と組み合わせて性能を最大限に発揮するという特徴があります。また,空気を循環させながら適切に換気を行うため,空気質の維持にも寄与します。さらに,再生可能エネルギー利用技術と組み合わせることで,設備機器への依存を抑えることも可能です。

このようにMaHAt Systemは,高性能な住宅において,空調・換気を統合的に制御することで,快適性と省エネルギーを両立させる先進的な住宅システムです。

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導入事例6 組織設計事務所/ゼネコン

依頼内容:なみきスクエア

なみきスクエアは,大きなエントランス空間を備えた市民会館・ホールであり,快適性と省エネルギーの両立を目的とした設備設計が特徴です。

特に,空調設備には,エネルギー消費を抑えるために放射パネル空調を採用しています。放射パネル空調は,空気を直接冷暖房するのではなく,壁や天井に設置されたパネルからの放射・対流によって室内の温熱環境を調整する方式です。この方法により,大空間でも均一で穏やかな温熱環境を実現できるとともに,空気の過剰な循環を抑え,エネルギーの効率的な利用が可能となります。また,大きなエントランスのような天井の高い空間では,従来の空気方式の空調ではエネルギー損失が大きくなりがちですが,放射空調は対象とする空間範囲で効果的に熱を供給・除去でき,省エネルギー化に寄与します。

なみきスクエアは建築空間の特性に応じた放射空調方式を導入することで,省エネルギーと快適性を両立しており,従来の空調方式と比較して消費エネルギーの約25%削減を実現しました。

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導入事例7 組織設計事務所/ゼネコン

依頼内容:糸島市庁舎

糸島市庁舎は,建築計画と設備技術を統合した先進的な環境配慮型建築(ZEB)であり,省エネルギーと快適性の両立を目指した設備システムを導入しています。

空調システムには,放射パネル空調と床吹出し空調を組み合わせた先進的な方式を採用しています。放射パネルが床スラブ内に設置されおり,床からの放射によって室内の温熱環境を穏やかに調整します。さらに,外気処理機から供給される空気は,放射パネルの下側通気層を通過する構成となっており,放射パネルとの熱交換によって冷却または加熱され,その後,床吹出しによって室内に送風されます。放射パネルと外気処理機が連動しており,新鮮空気を適切に処理したうえで床面から給気することで,効率的な換気と空調を一体的に実現しています。床面からの放射と床吹出し方式により,人の活動空間を中心に空調が行われるため,居住域の環境を快適で効率よく維持でき,大空間でもエネルギーの無駄の少ない運用が可能となります。

このシステムにより,①居住域を中心とした快適な温熱環境の形成,②外気処理機と床吹出し空調の連携による効率的な空気質・温湿度の管理,③外気処理機を介した導入外気の冷却・加熱によるエネルギー効率の向上,が実現されています。

このように糸島市庁舎は,放射空調と床吹出し空調が高度に連携するハイブリッド型システムを備えた,省エネルギー性と快適性を高いレベルで両立した建築事例です。

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導入事例8 組織設計事務所/ゼネコン

依頼内容:JR熊本駅ビル・アミュプラザ

JR熊本駅ビル・アミュプラザは,建築内部に自然の要素を積極的に取り入れるバイオフィリック・デザイン(BPD: Biophilic Design)を採用しています。

BPDとは,人間が本来持つ「自然とつながりたい」という本能(バイオフィリア)に基づき,建築空間に自然光・風・水・植物などを取り込む設計手法です。本建物では,1階から7階まで連なる大規模な吹き抜けエントランス空間に,①大開口や天窓による昼光利用(太陽光),②気流制御による自然な風の活用,③滝や水盤による蒸発冷却・過乾燥防止(水),④観葉植物や壁面緑化による環境調整(植物),といった自然要素を導入しています。特に特徴的なのは,幅10m・高さ10mの滝(3階から1階水盤への落水)を活用し,水温・水量の調整,水盤横からの排気(除湿),吹き抜け空間の通気(移流熱拡散)のみで温湿度を制御している点です。

これにより,この大空間では空調設備を使用せずに快適な環境を実現しており,非常に先進的かつ希少な事例となっています。さらに,このパッシブな環境制御により,隣接する商業施設の空調用エネルギーを約25%削減できることも解析・実証しました。

このように,JR熊本駅ビル・アミュプラザは,自然エネルギーと建築デザインを融合し,大空間でも設備に頼らない環境制御を実現した先駆的な建築事例です。

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導入事例9 建築材料/建築製品/空調・換気設備メーカー

依頼内容:調湿建材の開発とその効果

調湿建材の吸放湿性能を理論的に解明し,それに基づいた効率的な材料開発手法を確立しました。

調湿建材の性能は,材料内部に存在する細孔(毛細管)の吸引力によって決まり,この吸引力は熱力学ポテンシャル(水分ポテンシャルと称す)として定義されます。さらに,この水分ポテンシャルは細孔径に依存するため,材料の細孔径分布を測定することで,含水率と水分ポテンシャルの関係を一義的に決定できます。尾崎研究室では,非平衡熱力学を応用して水分ポテンシャルを定義し,水分ポテンシャルと含水率の関係(平衡含水率)を理論的に導出しています。さらに,水分ポテンシャルを用いた熱・水分複合移動方程式を構築し,高精度な数値解析を実施しています。

これらの理論を基にして,細孔径分布測定と熱・水分複合移動方程式に基づく数値解析により,調湿建材の設計・開発を行いました。従来は経験的に材料を作製し,実験によって性能を確認する方法が主流でしたが,本方法では細孔径分布を設定目標にして材料設計を行うことが可能となり,調湿建材の開発に要する時間とコストを大幅に削減しました。
さらに,建築環境解析ツール「ThermalOne」には上記の理論が実装されているため,開発した材料を建物に適用した場合の効果を本ツールで検証し,室内湿度環境の改善や空調負荷低減への効果を評価しました。その結果,実用的な設計指針を導出し,建物への利用可能性を示しました。

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導入事例10 建築材料/建築製品/空調・換気設備メーカー

依頼内容:窓ガラスおよび窓サッシの違いが建物の熱環境・省エネルギー性能に及ぼす影響

窓ガラスおよび窓サッシの性能の違いが,建物の熱環境や空調エネルギー消費に与える影響を定量的に評価し,最適な窓仕様の選定方法を明らかにしました。

まず,窓ガラスについては,複層ガラス,Low-E複層ガラス,真空複層ガラス,トリプルガラス等,多様な製品を対象とし,それぞれを用いた場合の室内温熱環境および空調用エネルギー消費量の違いを詳細に解析しました。その結果,高性能ガラスは断熱性や遮熱性が向上し,省エネルギーに寄与する一方で,コストとのバランス(アフォーダビリティ)の検討が重要であることを明らかにしています。

さらに,窓枠(サッシ)についても,アルミサッシ,アルミ樹脂複合サッシ,樹脂サッシなどの性能差が建物全体の熱損失や空調負荷に与える影響を実証的に評価しました。特に,熱伝導率の大きいアルミサッシに対し,樹脂系サッシは断熱性能に優れ,省エネルギー効果が高いことを確認しています。
これらの結果から,窓の性能はガラスとサッシの組み合わせによって大きく変化することを示し,地域の気候条件,建築仕様(断熱や日射遮蔽など),窓の方位を総合的に考慮することで,最適な窓仕様を合理的に選定できる設計方法を提示しました。

開口部の設計を通じて建物のエネルギー性能を大きく向上させる指針を示しており,Real ZEH / ZEBを目標とする省エネルギー建築の実現に重要な知見を提供しています。

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導入事例11 建築材料/建築製品/空調・換気設備メーカー

依頼内容:断熱サッシによる熱橋と内部結露の防止

窓サッシは外壁に比べて熱を伝えやすく,熱橋(ヒートブリッジ)となることで熱損失を増大させるだけでなく,表面温度の低下によって結露が発生しやすい部位です。さらに,構造材と窓サッシの接合部内部で結露が生じると,カビの発生や木材の腐朽といった深刻な湿害につながるリスクがあります。

この問題に対して,本事例では外壁と窓の境界領域における熱と水分の複合移動を2次元解析し,サッシ周辺の温湿度分布および長期の水分挙動を詳細に把握しました。その結果を基に,熱橋が生じにくい断熱サッシの設計・開発を行っています。さらに,日本各地の気候条件や室内環境条件を想定し,長期間にわたる熱・水分移動をシミュレーションすることで,壁内部や接合部の温湿度変化を評価しました。その結果,提案したサッシ構造においては,内部結露の発生が抑制され,湿害が生じないことを確認しています。

これにより,窓サッシ周辺の見えない部分での結露リスクの定量的な評価,熱橋を抑制した窓サッシの設計,地域気候に応じた安全かつ高性能な外皮設計を可能とし,建物の耐久性向上と省エネルギー化の両立に大きく貢献しました。

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導入事例12 建築材料/建築製品/空調・換気設備メーカー

依頼内容:自動開閉窓による室内熱環境制御と省エネルギー効果

建物に設置した自動開閉窓により,自然換気(通気)によって室内熱環境を制御するとともに,空調用エネルギーの削減を図りました。

自動開閉窓は,室内外の温度差,風向・風速,日射条件などに応じて開閉を制御することで,最適なタイミングで自然通風を確保できます。これにより,室内にこもった熱を効率的に排出したり,外気の冷涼な空気を取り入れたりすることで,室温の上昇を抑制します。特に,夜間や中間期における自然換気(ナイトパージなど)による蓄冷,外気条件を利用した機械空調の代替・補完といった運用が可能となり,空調負荷の低減に大きく寄与します。また,自動制御することで,居住者の操作に依存せず,常に適切な換気が確保されるため,快適性と省エネルギー性の両立が実現されます。さらに,他のパッシブ技術と組み合わせることで,その効果は一層高まります。

これにより,①自然エネルギーを活用した室内環境制御手法の高度化,②地域の気候条件に適応した設計指針の提示,③空調エネルギー消費の削減などが可能となり,Real ZEHやバイオクライマティク・デザインの実現に貢献する重要な技術であることを示しました。

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導入事例13 建築材料/建築製品/空調・換気設備メーカー

依頼内容:PCM(Phase Change Material)の蓄熱効果を利用したパッシブ住宅

PCM(相変化材料:Phase Change Material)の蓄冷・蓄熱作用を活用し,機械空調に依存しないパッシブ住宅を実現しました。PCMは,一定の温度域で液体と固体の間で相変化し,その際に熱を吸収・放出する特性を持つ材料であり,この性質を利用することで効率的な熱エネルギーの蓄積が可能となります。本方法では,建物内にPCMを組み込んだチャンバー(PCMユニット)を設置し,空気循環によって蓄熱・放熱を行いました。

夏季は,夜間に室内空気を屋根通気層へ送風し,屋根面での大気放射冷却によって冷却された空気をPCMユニットに送り蓄冷し,その後室内に還気します。昼間は室内空気をPCMユニットに直接送風し,蓄えた冷熱を回収して室内に供給して冷房効果を得ます。冬季は,昼夜の空気循環の方法を夏季と逆にして,昼間に太陽集熱によりPCMに蓄熱し,夜間にその温熱を回収して暖房に使用します。天候条件が良好な場合には,夏季・冬季ともに機械空調を使用せずに快適な室内環境を終日維持できることを実証しました。

本事例は,①PCMの相変化特性を活かした高効率な熱エネルギー蓄積,②空気循環と組み合わせた実用的なシステム設計,③自然エネルギー主導のパッシブ環境制御を統合した点に特徴があり,高性能な省エネルギー住宅の実現に向けた先進的な技術です。

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導入事例14 建築材料/建築製品/空調・換気設備メーカー

依頼内容:全熱交換器および調湿外気処理機による省エネルギー効果

建物の換気時に生じるエネルギー損失を低減するために,全熱交換器および調湿外気処理機(ヒートポンプ式デシカント換気)を活用した省エネルギー技術の効果を明らかにしました。

まず,全熱交換器は,排気する室内空気と取り入れる外気の間で,顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を交換する機器です。これにより,外気をそのまま取り込む場合に比べて,冷暖房された室内空気のエネルギーを再利用でき,換気に伴う空調負荷を大幅に削減することが可能となります。

一方,調湿外気処理機は,ヒートポンプとデシカント技術を組み合わせたシステムであり,外気を取り入れる際に温度だけでなく湿度も積極的に制御します。特に,日本のように高温多湿な気候では,湿度制御が空調負荷に大きく影響するため,この装置により高効率な除湿・加湿と空調顕熱負荷の分離処理が実現されます。

これらのシステムの導入により,①換気時の熱・湿気損失の低減,②空調機器の負荷軽減と高効率運転,③室内温湿度の安定化による快適性向上を達成しました。さらに,建物全体の空調システムと連携させることで,外気処理と室内空調を最適に分担し(顕熱・潜熱分離空調),エネルギー消費の最小化を可能としました。熱交換危機は,換気という不可避なプロセスを省エネルギー化する技術として,高性能建築(Real ZEHや省エネルギー住宅・建築)における重要な要素技術です。

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導入事例15 その他

依頼内容:断熱改修した住宅の熱環境の改善効果と結露防止対策

既存住宅の断熱改修による室内熱環境の改善効果と省エネルギー性能の向上,およびそれに伴う結露リスクへの対策を明らかにしました。

断熱改修を行うことで,外気の影響を受けにくくなり,室内の温度変動が抑制されるため,冬季の寒さや夏季の暑さが緩和され,快適性が向上します。また,冷暖房に必要なエネルギーが減少するため,空調負荷の低減による省エネルギー効果も得られます。

一方で,部分的な断熱改修(居室のみなど)を行った場合には問題が生じる可能性があります。改修されていない部屋は,温度が低いままとなり,暖房された部屋から非暖房室に空気が流入すると,表面温度が低下した部位で結露が発生しやすくなります。その結果,カビや腐朽などの湿害リスクが高まることが指摘されています。このような問題を防ぐためには,①建物全体を対象とした総合的な断熱改修,または②室内の湿気を適切に排出する24時間換気システムの導入・運用,を検討することが重要です。

本事例では,断熱改修によるメリットを最大限に活かしつつ,結露などの副作用を防ぐためには,断熱・換気・室内環境を一体的に計画する必要があることを示しました。既存住宅の安全性・快適性・省エネルギー性能を同時に向上させるための実践的指針を提供しました。

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導入事例16 その他

依頼内容:冬型・夏型内部結露を防止する日本各地に適した躯体構成

建物の壁体内部で発生する冬型・夏型の内部結露を防止するために,日本各地の気候条件に適した躯体構成を明らかにすることを目的としています。

内部結露は,壁内部の温度と水蒸気の移動により発生し,断熱性能の低下,カビの発生,構造材の腐朽など建物の耐久性に重大な影響を及ぼします。日本では,冬季に室内から壁体内へ水蒸気が移動して発生する冬型結露,夏季に高温多湿な外気が壁体内に侵入して生じる夏型結露の両方に対応する必要があります。

本事例では,熱と水分の複合移動を精密に解析し,地域ごとの外気条件や室内環境を考慮したうえで,壁体内部の温湿度挙動を評価しました。その結果に基づき,a)室内側・外気側の防湿層や透湿層の配置,b)断熱材の種類や位置(内断熱・外断熱・付加断熱),c)通気層の設置による湿気排出,d)水分容量の大きいバッファー材の使用,などを適切に組み合わせることで,内部結露を防止する躯体構成を提案しています。また,日本は地域によって気候が大きく異なるため,寒冷地では冬型結露対策を重視し,温暖湿潤地域では夏型結露対策を考慮するなど,地域特性に応じた設計指針を整理しています。

これにより,①冬夏両方の結露リスクに対応可能な躯体設計,②長期的に安全で耐久性の高い建築の実現,③断熱気密化と湿害防止の両立,が可能となり,高性能な省エネルギー建築の普及において重要な基盤技術となっています。

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導入事例17 その他

依頼内容:床下や小屋裏等の非居住空間の湿害対策

床下や小屋裏といった非居住空間における湿害発生メカニズムを解明し,結露を防止する設計手法を明らかにしています。

まず,床下空間においては換気が行われる場合でも注意が必要です。春から夏にかけては外気の温度・湿度が急速に上昇しますが,床下は地盤の影響を受けるため温度上昇が遅れます。この温度変化の位相差により,暖かく湿った外気が相対的に温度の低い床下に流入すると,空気が冷却されて結露が発生する危険があります。すなわち,換気は必ずしも安全ではなく,気象条件を考慮した設計・制御が重要となります。

一方,小屋裏空間(天井断熱の場合)では,天井の防湿が不十分な場合には,冬季に室内の湿気が小屋裏へ流入し,その結果,外気の影響で温度の低くなった屋根面(野地板)で結露が発生する可能性があります。

これらの問題に対して,本事例では熱・水分の複合移動の観点から解析を行い,床下では外気導入方法や換気制御および断熱配置の工夫,小屋裏では天井面の防湿層の確実な施工や気密性の確保,などの対策を組み合わせることが重要であると示しています。

本事例では,非居住空間における結露発生メカニズムの定量的な解析,それぞれのリスクに対応した適切な設計方法を提示し,建物全体の耐久性・健康性の向上に資する湿害防止のための重要な知見を提供しました。

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導入事例18 その他

依頼内容:データセンター熱環境解析と省エネルギー対策

データセンターにおけるサーバ機器の発熱特性を考慮して,室内の熱環境を精密に解析するとともに,省エネルギー化を実現する空調・運用方法について検討しました。

データセンターではサーバから発生する大量の熱により,室内に強い温度分布(ホットスポット)が形成されやすく,これを適切に制御するために多くの空調エネルギーが必要となります。本事例では,気流分布や温度分布を詳細に解析し,機器配置や空気流れ(冷気の供給・排気の分離)の最適化について検討しました。具体的には,a)冷却効率を高めるための気流制御(ホットアイルとコールドアイルの分離など),b)ホットスポットの緩和,c)局所的な過剰冷却を防ぐための温度分布の均一化,d)必要な場所に必要な冷却を行う高効率な空調運用,などの対策効果を省エネルギーの観点から定量的に評価しました。さらに,外気冷房や高効率空調機の活用なども含め,熱環境解析に基づいた運用改善により,サーバの安全な稼働を確保しつつ空調エネルギーを削減する方法について解析しました。

これにより,①データセンター内部の熱・気流挙動の可視化と最適設計,②過剰な空調エネルギー消費の削減,③高発熱設備に対応した持続可能な運用指針の提示を行い,情報インフラの省エネルギー化に貢献する重要な技術的知見を示しました。